悩んでいる人
こんな方にオススメの記事です。
この記事のもくじ
はじめに
こんにちは、Hikaruです。
コストパフォーマンスという言葉を皆さんはご存知でしょうか?
略してコスパは「ある物事に対して費やした費用から得られる成果」のことを言い、コスパが多ければ多いほど少ないお金で「得をした」ということになります。
金管楽器で言えば、安い値段で良い性能の楽器を手に入れることが、コスパが良いことになります。
最近はありがたいことに、10万円を軽く下回る楽器も販売されているのでコストは大分下がっているなと感じますが、安いものには裏があるのではないかと思うものです。当然安いものには粗悪な楽器も存在します。
今回はコスパが良い楽器の中でも、クイーンブラスというメーカーのZORRO(ゾロ)と呼ばれるトランペットを紹介します。
このゾロは現在販売されているトランペットの中でもトップクラスのコストパフォーマンスを誇るトランペットで、初心者からプロまで幅広くオススメできるトランペットです。
クイーンブラスについて
クイーンブラスはホクソン社という台湾の楽器会社が、日本の眞田貿易とコラボレーションして立ち上げたブランドです。
ホクソン社は元々欧米の楽器メーカーの下請けとして品質の高いパーツや楽器を供給していました。このホクソン社が立ち上げたブランドにキャロルブラスという楽器があります。
キャロルブラスも品質が高くて安価なメーカーとして有名ですが、要はこのキャロルブラスを製作している会社が日本の会社とコラボして生まれたブランドがクイーンブラスということです。
眞田貿易はジョイブラスでおなじみ、東京は蒲田に店舗を構えるアマチュアからプロまで多くのプレイヤーに愛されている楽器店です。
2014年に現れたクイーンブラスはじわじわとその名を日本中に広げていき、プロのオーケストラプレイヤーやジャズプレイヤーにも使用される楽器として一躍注目を集めていきました。
ゾロトランペットのラインナップ
- Custom Built ModelⅡ
- C-Line
- Hino Model
ゾロトランペットは主に上の三種類がラインナップされており、それぞれメッキやラッカーなどバリエーションが複数あります。
3番のHinoモデルはプロトランペッターの日野皓正氏との共同開発で生まれたハイグレードモデルになりますので、今回は取り扱いません。
1番と2番のモデルは性格がはっきりと違うものの、どちらも安価かつ高パフォーマンスが期待できる楽器です。個人的にはヤマハのカスタム以上、Xenoクラスのポテンシャルを秘めた楽器だと感じています。
①Custom Built ModelⅡ
ゾロトランペットの中でも最もポピュラーなモデルで、仕様の違いによって多少の価格差はありますが、基本的に10万円を下回る値段で販売されています。
ヤマハで言うとスタンダードモデルのYTR-3335と同価格帯となります。
この楽器を一言で表すなら、「とにかくよく鳴る」楽器です。
シルキーやヤマハのZホーンと呼ばれるモデル群に近い、抜けの良い吹奏感と遠鳴りが一番の肝になっています。
↓私の演奏ですが、参考音源です。
Get awayで楽器吹き比べ
①クイーンブラス Zorro pic.twitter.com/tanNeBpVtA— Hikaru (@Hikaru_tpiano) August 9, 2020
標準で主管クルークにラウンドとスクエアの二本が付属し、ジャンルや好みによってカスタマイズが出来るようになっています。この価格帯で付属主管が付いている楽器をゾロ以外に私は知りません。
更にアマドウォーターキーを採用しているため、とにかく息が流れやすく反応が良い。タンギングの粒立ちも良い。音色もマウスピースによって色付けがとてもしやすく、クラシックからジャズまで対応出来るモデルです。
吹きやすい楽器なので初心者が最初に手にする楽器としても優秀ですし、柔軟に持ち替えが可能なので経験者のサブ楽器としても非常に優秀です。
特徴的なのは、ベルを支える支柱の位置が非常に手前になっていることです。
これはシルキーが採用している位置とほぼ同じで、これによってベルがフリーになり、音が押さえつけられることなく客席に飛んでいくのです。
シルキーよりは少しタイトな吹奏感ですが、音の抜け方には通ずるものがあるので、メーカーが意識して製作しているのでしょう。
一度試してみると、値段の安さとスペックの高さにびっくりすること間違いなしの楽器です。
②C-Line
①のCustom Built ModelⅡをベースに、ジョイブラスと多くのプレイヤーにより共同開発されたゾロの新モデルです。
Custom Built ModelⅡとの大きな違いは、チューニングスライドがリバースタイプになっていることでしょう。このチューニングスライドはラウンドタイプのみを採用した思い切ったモデルです。その代わりクルークに支柱があるものと無いものの二種類が付属します。
ラウンドタイプのチューニングスライドはセッティングによっては音がすっぽ抜けてしまうことがあるので、支柱付きのクルークにすることで抜けの良さを維持しながらもどっしりとした演奏が可能になります。
他にもライトタイプとなったマウスパイプやピストンボタンは、Custom Built ModelⅡにはなかったスピード感とレーザービームのような音の遠達性を実現しています。
ボトムキャップのうち3番ピストンのものだけヘビータイプのものを装着しているのも、カスタマイズに精通した方からすると「よく分かってる」仕様だと思うことでしょう。
こちらの方がよりジャズやポップスに特化した楽器という印象があります。
Custom Built ModelⅡよりは少し値段は上がりますが、それでも10万円代前半の価格で購入することが可能なモデルとしては、非常に高いポテンシャルを持った楽器です。
ゾロトランペットの仕上げの多さ
ゾロトランペットはラッカーが個人的にはオススメの仕上げになりますが、それ以外にも多数の仕上げの楽器が存在します。
- 銀メッキ
- クリアラッカー
- ニッケルシルバー
- ブラックニッケル
- サテンラッカー
- ローブラス(ノーラッカー)
同じ楽器でもこれだけのバリエーションの仕上げがあるので、それぞれの吹奏感や鳴り方の違いで楽器えお選ぶことができます。
まとめ
今回はクイーンブラスのソロトランペットにフィーチャーして紹介をさせて頂きました。
クイーンブラスのように安く良いものを作ろうとしているメーカーがいてくれることは、これから楽器を始めたい人にとっても、楽器を既に楽しんでいる人にとっても、選択肢を広げるきっかけになると私は考えています。
私はゾロを手に入れるきっかけとなったのはビッグバンドの本番だったのですが、半信半疑でこの楽器を試しに行った時、「楽器は値段じゃないな」と新しい価値観を打ち込んでくれました。そのくらい衝撃的な楽器です。
今後トランペットを始められる方にとっては、楽器購入の選択肢の一つとして、経験者の方には新しいジャンルを開拓するための選択肢の一つとして、このゾロトランペットを覚えておいて頂けたら嬉しいです。
今回はここまで、それではまた!
他の選択肢も知りたい方へ、ヤマハの楽器についてもまとめていますので、参考にどうぞ。