悩んでいる人
こんな方にオススメの記事です。
この記事のもくじ
はじめに
こんにちは、Hikaruです。
吹奏楽部に入部してトランペットを始めた方にとって、一番最初に出会うことになるのがマウスピースをどれにすれば良いかという問題です。
場合によっては備品として置いてあるものから適当に良さげなものや、状態が良いものを選んでトランペットを始めるという方もいらっしゃるかもしれませんが、基本的には部活で買ってもらうか、自費で購入するかのどちらかになるかと思います。
私は中学校で吹奏楽部に入ってすぐ、部費から引き落としでマウスピースを購入してもらいましたが、この時試奏も何もできないまま、気付けば「バックの7C」が手元にありました。
数か月吹き続けるうちにトランペットのことも少しずつ分かってきた私は、当時マウスピースを実際に購入した学校と懇意の楽器屋(今思うと怪しい楽器屋でしたが……)に問いかけました。
筆者
楽器屋のおっちゃん
初心者向けとな?当時の私は思いました。
その頃には自分が使っているマウスピース以外にもメーカーや型番が多くあることを知っていたので、本当に7Cが初心者向けのマウスピースなのか疑問に思うようになっていました。
そして現在においては7Cは初心者向けのマウスピースとは必ずしも言えないという考えに至っています。
なぜ7Cは初心者向けと言われるようになったのか
まずバックの7Cは実際に世界中で使用されているマウスピースであることは間違いありません。
実際にメーカーカタログや楽器店での紹介にも「世界中で最もよく使用されているモデル。輝かしい音で、学生からプロ奏者まで支持されている」と記載されていることから、信ぴょう性のある情報でしょう。
ここではいくつかの視点から7Cが本当に初心者向けマウスピースなのかを考察していきます。
① マウスピースのスペック
7Cは比較的小さめのマウスピースに類するモデルです。
リム内径の観点から見ると、トランペットの初学者となるであろう生徒は小中学生がほとんどとなるので、まだ体も小さい=唇も小さいのでリムが小さい方が扱いやすい内径になります。
しかし同時に7Cはカップが深めのマウスピースなので、初心者では息が足りなくなってしまい、足りない部分を唇で補おうとして奏法の成長を妨げてしまう可能性があります。
実際にカップの深さを比較してみてみましょう。
- 赤い実線:7C
- 緑の実線:5C
7Cと5Cを比較してみると、赤い線である7Cの方がカップが深いことが分かります。
またリム形状を見てみると、赤い線である7Cは外側へ向けてかなり鋭いカーブを描いているのが分かります。
リム形状は丸いと唇の自由度が上がるためコントロールがしやすくはなりますが、丸みが強いと鋭さを感じることもあり、逆にバテやすくなる傾向があります。
私自身、7Cを今使用するとリムに鋭さを感じてしまいます。15分程度の協奏曲で使用するなら、バテ始めてきた頃にマウスピースをプレスしてスタミナを補う場合、痛みを感じることになります。
もちろんリム形状のフィットは人の唇の形や骨格に依存するので、必ずしも私のようになるわけではありません。
しかしごくありふれた日本人の骨格であれば私とそこまで大きく変わることはないと予想されますので、近い結果になる可能性は十分にあります。
特に初心者の方がマウスピースから痛みを感じてしまうと、楽器演奏そのものを忌避してしまう可能性があります。これでは上達の妨げになるだけではなく、楽器演奏楽しむ機会の損失にもつながってしまいます。
リム形状の鋭さとカップの深さ、この2点から初心者向けのマウスピースと言うにはやや不向きかと思われます。
②楽器付属のマウスピース?
実は私がバックのトランペットを始めて購入した際に付属してきたマウスピースが7Cでした。
購入したのが今から15年ほど前のことだったのですが、恐らくその頃の日本でバックトランペットを購入すると、この7Cが付属してきたのではないでしょうか?
7番という大きさは初心者に向く大きさなので恐らくお店も7番を付属するようにしたのではないかと予想します。
ただしこの7Cのカップは深すぎた、また7Cのリムはやや丸過ぎたため、①で書いたような弊害が出ていたのでしょう。
では初心者向けのマウスピースとは?
ここまでで7Cが必ずしも初心者向けのマウスピースではない、という話をしてきました。
もちろん人によっては7Cが運命の一本だったなんてことも有り得ますが、マウスピースの傾向を見るとそれも難しそうです。
では果たして7Cに代わる型番があるのかどうか、と言う問題が出てきます。
結論から言えば、バックであれば7Cに近いリムの大きさ、そして7Cよりもフラット気味なリム形状のマウスピースであれば基本的には問題ないでしょう。
- バック6C:7Cよりやや大きいリム内径、7Cよりフラットに近いリム形状。
- バック5C:7Cよりやや大きいリム内径、7Cよりフラットに近いリム形状。
- バック10-1/2C:7Cよりやや小さいリム内径、7Cよりフラットに近いリム形状。この中では一番フラットなリム形状を持つ。
特に10-1/2Cはトランペット奏者のエリック・ミヤシロ氏も推薦するマウスピースで、大きさも7Cと大差ないのでかなり扱いやすいマウスピースの一つです。
5Cと6Cについては7Cよりも大きなリム内径を持つので、音量や太い音が欲しい場合にはこちらを選択すると良いでしょう。ただし大きい内径であればあるほど、口周辺の筋肉が疲労しやすいことは頭に入れておいてください。
まとめ
今回は初心者向けと呼ばれ使い続けられているバック7Cについての私見を書きました。
上記では6Cや5Cなども初心者向けのマウスピースとして紹介していますが、あくまで傾向的に初心者向けであるということに他なりません。
各個人の骨格や吹き方のクセによって全く異なるマウスピースが初心者向けになることも十分に有り得ます。
また7Cについて初心者向けではないという解説をしましたが、7Cが初心者に合う場合ももちろんありますし、逆にベテランになってから7Cの良さに気付いて乗り換えるという方もいらっしゃいますので、一概にこれが正しい、と言えないのがマウスピースの難しいところでもあります。
ぜひ今回の記事を参考に、自分に合うマウスピースを見つけてみてくださいね。
今回はここまで、それではまた!
個人的初心者向けのマウスピースについて解説しています。
マウスピースの各部名称や機能について大解剖した記事です、マウスピース選びの参考にどうぞ!
7Cを含むバックの人気型番についてリム形状やカップなど様々な視点から検証しました。