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真鍮とはいったい何者!?【金管楽器の材料について調べてみよう】

真鍮とはいったい何者!?【金管楽器の材料について調べてみよう】

悩んでいる人

金管楽器に使われている「真鍮」とは何か。真鍮のバリエーションの違いでどのような音の違いがあるのか。熱処理とは何か。

 

こんな方にオススメの記事です。

 

はじめに

こんにちは、Hikaruです。

私たち金管楽器は「真鍮(しんちゅう)」という金属が元になって作られています。ちなみにブラスバンドの「ブラス」は真鍮を英語にしたものです。

この真鍮にはいくつかバリエーションが存在し、使われる真鍮の種類によって音色や吹奏感がはっきりと変わるので、楽器を購入する際には頭に入れておくと、自分に合った楽器を手に入れることができるでしょう。

また真鍮は金属なので保存にある程度気を使わないといけません。他の金属と同様に何もせず放っておけばサビてしまい、最悪楽器に穴が開いてしまいます。

真鍮の性質やバリエーションを知ることは、より良くより長く楽器と付き合っていくために大切な知識となってきますので、今回は真鍮について個人的に調べてみましたので、解説していきます。

真鍮とは何者か?

真鍮は金管楽器やマウスピースの原材料として広く用いられています。黄銅やブラスなどと呼ばれ、比較的柔らかく加工がしやすい金属です。薄い真鍮の板などは人間の手でも曲げることができます。

楽器のカタログなどで、材質にイエローブラス・ゴールドブラスというものを見たことがあることでしょうか?これは真鍮が亜鉛と銅の合金であることに由来し、金属の比率によって名前や見た目も変わります。

主に金管楽器に使われるのは以下となります。

MEMO
①イエローブラス:銅70%、亜鉛30%⇒加工しやすい、張りのある明るい音
②ゴールドブラス:銅85%、亜鉛15%⇒やや加工しにくい、豊かで幅のある音
③レッドブラス:銅90%、亜鉛10%⇒加工しにくい、柔らかく落ち着いた音

基本①から③になるにつれて値段が上がっていきます。加工がしにくくコストがかかるからです。

レッドブラスは昔のヤマハがトランペットに使用していましたが、コストの高さから現在は使用されなくなってしまいました。たまーにヤフオクで出品されていますので、興味がある方はぜひ入手してみてください。

……と、ここまでは金管楽器を所持されている方ならご存知の話と思いますので、今回はさらに真鍮が持つ性質にまで踏み込んで調べてみました。

真鍮に施される様々な処理について

皆さんは金管楽器やマウスピースにメッキやラッカーといった金属全体を覆う処理がされている理由をご存知でしょうか。

見た目を良くするため?音色を変えるため?いえいえ、もっと重要な理由があります。

それを説明するために、まずは以下の用語を押さえておきましょう。

・冷間加工:常温で金属を曲げたり切ったり、様々な加工をすること。対義語は温間加工(金属に熱を加えて柔らかくしながらする加工)

・応力:金属の単位面積(1m㎡)にかかる力で、加工の仕方によって多数の方向に力がかかる。マウスピースや楽器は複雑な形をしているので、色々な場所に応力がかかっていると想定されます。ストレスとも呼ばれます。

 

・置き割れ:真鍮を加工する際に発生する応力により、目に見えないレベルで真鍮が変形。変形した箇所に水分や塩分、アンモニア等が入り込み、腐食して割れてしまう現象のこと。

ちょっと難しい言葉が多いですが、真鍮ないし金管楽器を語る上で大事なことなので頭の片隅に入れておきましょう。

さて、赤字にした「置き割れ」という現象。これが大変厄介で、金管楽器に限らず真鍮の加工品にはついて回る問題です。

メーカーによるとは思いますが、金管楽器やマウスピースは冷間加工によって製作されることが主でしょうから、加工された時点で金属に応力が残っている状態です。

この応力が残っていると、保管状態や環境によって置き割れが発生します。なので地の真鍮がなるべく空気や水分に触れないよう、メッキやラッカーで保護をして寿命を伸ばします。

ではメッキもラッカーも施さないノーラッカー(ローブラス)の楽器は簡単に割れてしまうのかと言うともちろんそんなことはありません。

ノーラッカーの楽器は、酸化被膜と呼ばれる「ある種のサビ」で楽器全体を覆い、腐食を守ることができます。この酸化被膜はヴィンテージ感を出すのに一役買う現象でもあります。酸化被膜を付けるには主に薬品を使用します。

そして更に、加工後の金属の性質を変化させる処理として、熱処理が挙げられます。熱処理にもいろいろありますが、楽器関連で比較的有名なのは、「焼きなまし」という処理です。

 

焼きなましとは?

別名アニーニング。金属を加工する際に生じる内部のひずみ(応力を含む)を取り除く熱処理のこと。これにより金属の応力が減少し、応力等のストレスが著しく減った金属結晶が再生成される。金属加工においては頻繁に実施されています。

焼きなましは目的によって温度や時間を変えて施されます。例えば低温で応力を除去する「応力除去焼なまし」、高温で成分や不純物を均一化する「拡散焼なまし」など、目的に合わせた温度で焼なましを行なうことで、金属の性質改善が実現できます。恐らく楽器に行われる熱処理は「応力除去焼きなまし」に分類されるものかと思われます。

最近はメーカーが出荷時に熱処理を施していることを謳ったケースが見られるようになりました。例えばヤマハはシカゴモデルなどのピストンパーツに、キャノンボールは楽器全体に熱処理をしているそうです。

また後掛けの熱処理を行う業者も増えてきています。

面白いのが、この応力がどれだけかかっているかによって金属の振動の仕方が変わる、つまり吹奏感や実際の音色に変化が出ることです。(この辺は勉強不足ですが、音響学的に実際変化があるそうです)

ハンマリングなども最近よく見られます。これは金属を叩くことで金属結晶が変化し、音色や吹奏感の変化へつなげることを目的に行われていると推測します。

金属の性質という側面から楽器を見ることは、楽器の改造をされる方にとっては切っても切れない分野になります。

今回のような知識を吸収することで、本当にこの処理は自分の目標の手助けになるかと見極める目を養うことにもつながると思いますので、この記事で興味を持たれた方がいらっしゃれば、より深く勉強してみてください。

今回はここまで、それではまた!

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