音楽は一生の友、いつまでも音楽と過ごすことを目指す副業トランぺッターのブログ。

【ハイノート】快適に吹くことで見えてくるもの

【ハイノート】快適に吹くことを目指す、ヒントはローノート

悩んでいる人

もっとトランペットを楽に吹けるようになりたい!ローノート(低い音)を練習するとハイノート(高い音)が出るようになるって聞くけど、本当なの?

 

こんな方にオススメの記事です。

 

はじめに

こんにちは、Hikaruです。

トランペット奏者にとって、ハイノートは一つの鬼門になります。

ハイノートについては「こうすれば出る!」というものは正直ないと私は考えていて、レッスンで「どうしたらハイノートが出るんですか?」と聞かれると、答えに困ることがあります。

とは言え、ハイノートを使えるようになるための道筋は分かっているので、生徒さんのその時のポテンシャルや傾向などを判断して、その人に合った内容をお話することがほとんどです。

今回はハイノートを出せるようになるための近道の一つとして、「ローノート(低い音)」との関連性を解説していきます。

トランペットはキツいという幻想

トランペットは世界的にもポピュラーな楽器で、ディズニーなどのマスコットキャラクターが手に持って演奏している画像なども多くあります。

そのようなキャラクターたちは大抵顔を真っ赤にして頬を膨らませて、頑張ってトランペットを吹いています。

このような私たちが幼い頃から持っているイメージで「トランペットは大変な楽器なんだ」と思い込まされている人も結構いるのではないでしょうか。

トランペットは本来はそんなにパワーが必要ない楽器で、どちらかと言えば緻密な技術的側面が強い楽器です。

多くの人はトランペットが上手くなるにはパワーが必要だと考えがちですが、本当はむしろその逆で、不要なものを捨てていくことこそがハイノートひいては上達への近道になります。

私はこれを勝手に「トランペット断捨離」と呼んでいます。決して手元にある買い過ぎた楽器を減らすという意味ではございません。

音を出すという行動を突き詰める

私はレッスンでよくこのような問い掛けをします。

ロングトーン・タンギング・リップスラー、これらに共通することはなんでしょう?

皆さんも考えてみてください。

答えは、「音を出す」ことです!

バカバカしいなあと思った方、正しいです。

しかしこの「音を出す」という行動は多くのトッププレイヤーが突き詰めている、トランペットを演奏する上で最も本質的な部分になります。

ここでトランペットを演奏するのに必要なパワーというものを数値に当てはめてみたいと思います。数値は適当なのであまり気にせず、あくまで多いか少ないかの指標として考えてください。

ある人が音を出すのに必要なパワー

・ハイB♭を演奏するのに使うパワー:20

・チューニングB♭を演奏するのに使うパワー:10

・ローB♭を演奏するのに使うパワー:3

そしてこの人は練習を続けるうちに、チューニングB♭を5のパワーで演奏できるようになりました。

基本的にトランペットはある音域が今までより楽に吹けるようになれば、その音域より高い音域も低い音域も、演奏するのに必要なパワーが減ります。

こうなるとチューニングB♭より低い音はもっと少ないパワー(1とか2とか)で演奏できるようになります。そしてハイノートも今までより少ないパワーで吹けるようになります。

練習後のパワー

・ハイB♭を演奏するのに使うパワー:12

・チューニングB♭を演奏するのに使うパワー:5

・ローB♭を演奏するのに使うパワー:1

つまりトランペットにおいては楽に音が出せるようになることが、演奏可能な音域を広げる(=ハイノートが出るようになる)ことにつながります。

これを実現するためには、まずは楽な音域を楽に吹けるようにすることが大前提です。

ドラゴンボールのセル編を読んだことがあるでしょうか。

セルゲームの前に悟空と悟飯が精神と時の部屋で常にスーパーサイヤ人に変身し続けることで、気の消費を最小限に抑えて、ここぞという時に爆発させるという修行をしてました。

トランペットの練習にはあの考え方がとても役に立ちます。そういう意味では悟空はベジータが言うように天才なのです。

ローノートはハイノートを助けてくれる

ハイノートが出ない、と言う方は本来であればもっと楽にその音域が演奏できるのに、必要以上のパワーで演奏してしまっているため自分で自分にリミッターをかけている方がほとんどです。

このリミッターの解除に役立つのがローノートです。

ローノートは少ないパワーで演奏することができるので、ハイノートのように「無理矢理に音を出す」リスクが格段に少なく、音を出す練習には持ってこいです。

リスクが少ないローノートから楽に演奏できるようにすることで、その上の音域も楽に吹けるようにしていくという考え方です。

例えば自分が一番楽に出せる音から音階でゆっくりとオクターブ上がっていく練習などが効果的です。この時注意してほしいのは、高い音に移動する時に無理矢理出さないことです。

ちなみにハイノートが出ないからと言って無理矢理音を出してしまうと、練習したつもりが逆に今まで積み上げてきた練習を無駄にしてしまう可能性が高いです。

トランペットの練習でハイノートをたくさん吹いた後にローノートを吹こうとすると、何だか吹きにくいと感じることがありませんか?

これはハイノートのテンションのままローノートを吹いてしまっている状態で、頑張って練習してしまう人によく起きます。

分かりやすく言えば、ハイノートを演奏しようとしている状態でローノートを吹いてしまうので、余計なスタミナを使ってしまうことになります。

そして本来であればローノートをもっと少ないパワーで出せるはずなのに、オーバーパワーで演奏してしまうために唇と息のバランスも崩れてしまいます。

せっかく高い音の芽はあるのに、自分で自分の成長を邪魔してしまうことは大変もったいないです。

早く色んな音域で演奏できるようになりたい気持ちはよく分かりますが、急がば回れと言う言葉があるように、まずはローノートを楽に吹けるようになってから、注意深く自分の音域を広げていくのが大切です。

まとめ

今回はハイノートについて、ローノートが助けてくれるんだよ、というお話をしました。

このローノートを用いた快適な状態を目指す考え方は、多くのトッププレイヤーが話していることで、私自身もレッスンで多くの先生から言われてきました。

音を出すという本質的な部分を突き詰めていく(=楽にしていく)ことで、トランペットはより簡単になります。そして今まで音を出すという部分に割いていたリソースを、「音楽を創造する」というセクションへ重きを置くことができるようになります。ここまで来たプレイヤーは一味も二味も違います。

皆さんもぜひ、もっと楽に楽しくトランペットを演奏できるよう、練習してみてください。

今回のまとめ

・音を出す、という行動を突き詰めることでトランペットの演奏は簡単になる。

・ローノートは音を出すのが比較的簡単なので、楽に演奏するという状態を作り出せる。

・楽に演奏する状態を手に入れることが、ハイノートへの近道になる。

今回はここまで、それではまた!

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