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【書籍紹介】音楽史の世界へ、金管アンサンブルには必須!

【書籍紹介】音楽史の世界へ、金管アンサンブルには必須!

悩んでいる人

西洋音楽史ってよく分からない。音楽史を勉強したいけどどんな本を読んで勉強したら良いのか分からない。

 

こんな方にオススメの記事です。

 

はじめに

こんにちは、Hikaruです。

皆さんは初めて演奏する曲の楽譜を手に取る時、どのようなことを考えるでしょうか。

楽譜に慣れていない方だと音符を見てリズムや音程を探るのが主な作業になるでしょうか。楽譜を見慣れている人であれば、どのように表現しようかと考えるかと思います。

音楽を表現するにあたって私たちは楽譜から多くのことを読み取り、感じ取り、自分の知識や経験を元に形にしていく作業が必要になります。

しかし、楽譜だけを眺めていても解決しないこともままあります。

それこそが今回の主題となる、西洋音楽史です。

その音楽が作られた時代に、どのような目的で作られて演奏されていたのかを知ることは、私たちが当時の音楽を現代に蘇らせるという大仕事をする際に必ずしなければならない作業となります。

音楽史というのは非常に入り組んでいて、特にモンテヴェルディが登場した辺りから現代に至るまでの音楽史は混迷を極めますので、一から学ぼうとすると膨大な時間と労力が必要になります。

今回ご紹介するのは、そんな音楽史を分かりやすく解説し、広くそれなりに深く知ることができる素晴らしい書籍です。

クラシック音楽史の大元であるグレゴリオ聖歌から現代に至るまでの軌跡を勉強する事ができることでしょう。

西洋音楽史 「クラシック」の黄昏(岡田暁生著)

日本の音楽学者、京都大学人文科学研究所教授の岡田暁生氏の著書になります。

個人的音楽史入門バイブルと言っても良い一冊です。

本書概要

概要
  • 一八世紀後半から二〇世紀前半にいたる西洋音楽史は、芸術音楽と娯楽音楽の分裂のプロセスであった。この時期の音楽が一般に「クラシック音楽」と呼ばれている。
  • 本書は、「クラシック音楽」の歴史と、その前史である中世、ルネサンス、バロックで何が用意されたのか、そして、「クラシック後」には何がどう変質したのかを大胆に位置づける試みである。音楽史という大河を一望のもとに眺めわたす。
目次
  • 第1章 謎めいた中世音楽
  • 第2章 ルネサンスと「音楽」の始まり
  • 第3章 バロックー既視感と違和感
  • 第4章 ウィーン古典派と啓蒙のユートピア
  • 第5章 ロマン派音楽の偉大さと矛盾
  • 第6章 爛熟と崩壊ー世紀転換期から第一次世界大戦へ
  • 第7章 二〇世紀に何が起きたのか

概要の通り、西洋音楽史と呼ばれるいわゆる「クラシック音楽」の歴史を紐解いていくのがメインの内容となっています。

音楽史の書籍というと各時代で活躍した作曲家一人一人にフォーカスして解説するのではないかと考えてしまいがちですが、こちらではそういった一個人の話は簡潔にされており、クラシック音楽に主軸を置いた西洋の歴史の教科書のように読んでいて感じました。

なので時代背景やどのように音楽史が移り変わるのかが大変分かりやすく、すっと頭の中に入ってきます。「音楽史という大河を一望のもとに眺めわたす。」と概要にあるように、音楽史を俯瞰するようなイメージです。

芸術音楽とは~西洋音楽の成り立ち

本書では西洋音楽(私たちの言うクラシック)を「芸術音楽」であると捉えています。

芸術音楽とは

音楽の一つのモード(方式・形式)。映画音楽、コマーシャルソング、ダンスミュージックなどなど、音楽のありようの中の一つに過ぎない。

➀芸術として意図された音楽であること。

②楽譜に文字として書き記される音楽であること。

歴史的観点で言えば、芸術音楽は近代以前の知的エリート層によって支えられてきた音楽であることは皆さんもご存知のことと思いますが、その芸術音楽が芸術音楽と呼ばれるようになるまでの音楽の歴史については意外と知られていません。

本書ではこの芸術音楽の水源を「グレゴリオ聖歌」とし、一番最初は音楽は神の言葉そのものであったと解説しています。そもそも音楽は聴くものではない(!)、という価値観ですね。

人々はグレゴリオ聖歌が淡々とこだまする教会で、その背後にある世界を調律する秩序(=神の存在)を見ることこそが重要であり、音楽の真理だったのです。

やがてこのグレゴリオ聖歌をベースに楽譜を書くという文化や対旋律という概念が生まれてきて、中世からルネサンス期になると音楽が神の秩序から人間(知的エリート層)のものとなり、古典時代から現代に至るまでの間で一気に庶民まで広がってくる、というのが大まかな流れとなっています。

私たち現代人が生きる世界に音楽がどのように浸透してきているのか。

そして各音楽の時代の背景を知ることで、音楽をどのように聞くべきなのか、どのように解釈するべきなのか、そのヒントになります。

タイトルにも書きましたが、ルネサンス時代の音楽は金管アンサンブルでよく使用されます。ガブリエリやプレトリウスなどが有名ですね。

ルネサンス期は上で言うところの音楽が神の秩序だった時代から人間のものになる時代の真っ只中で、分かりやすく言えば人間が音楽を手に入れてはっちゃけている時代です

書籍でも解説されていますが、ルネサンス期以前までは各パートの旋律の流れこそが音楽を決定していたのに対し、ルネサンス期以降は「和声」という概念が生まれ、この和声こそが音楽の性格を決定付けるようになる点は要チェックです。ここが現代に至るまでの音楽の転換期とも言えるでしょう。

ここの解釈を知っているか知らないかで、ルネサンス音楽の金管アンサンブルの演奏や指導に大きな差が出てきますので、ぜひ一読されると良いでしょう。

まとめ

ここまで簡単に書籍について紹介をさせて頂きましたが、いかがだったでしょうか。

この記事では西洋音楽のルーツであるグレゴリオ聖歌の部分とルネサンス期の音楽について抜粋で内容を紹介しましたが、実際に読んでみるとそれ以前や以降の歴史が相互に干渉し合って、その時代の音楽が成り立っていることがよく分かります。

ルネサンス期の音楽だけでなく、古典・ロマン派・近現代など各時代背景や音楽への価値観の違いなどを理解することは、私たちが音楽を芸術として表現する時のヒントになります。

そして音楽を聴く時にもこのような知識があると、ただ良い音楽として聴くだけでなく、当時の情景や世情などを思い浮かべながら音楽を深耕していくことができて、音楽を聴くのがもっと楽しくなると思います。

Kindleでも販売されているので、スマホやタブレットでお手軽に読むこともできます。ぜひ西洋音楽史の世界へ飛び込んでみてください。

今回はここまで、それではまた!

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