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【議論】ベルを上げる=姿勢が良い吹き方?

【議論】ベルを上げる=姿勢が良い吹き方?

悩んでいる人

ベルアップって必ずしなければいけないの?ベルを上げて演奏するのが正しいことなの?ベルを上げて演奏しろって言われるけど、体が痛くなって辛いなあ……

 

こんな方にオススメの記事です。

 

はじめに

こんにちは、Hikaruです。

皆さんはトランペットを演奏する時、ベルはどの程度の高さになりますか?

私は身長がそんなに高くないのと、生来の猫背もあるためあまり高い位置にベルが来ませんが、特に演奏で困っていることはありません。

吹奏楽部を経験された方は、部活でこう言われたことがあるかもしれません。

金管ベルの高さ揃えて!

これは私も経験がありますが、当時の私はスルーしてマイロードを突き進んでいたイヤなやつでした。おかげで部員と一触即発になったこともあります。(こんな人になってはいけません)

しかしこのベルアップについて注意されて悩む方が多くいらっしゃるのも事実です。

ベルアップをすることは正しいのか?ベルを下げて演奏するのはいけないことなのか?本来楽器は音楽をするために練習するものなので、ベルの高さで悩んでしまうのは時間がもったいないです。

ベルアップ(ベルの高さを揃える)の意味は?

率直に言いましょう、「見た目の良さ」です。

身も蓋もない言い方かもしれませんが、本当にこれ以外の意味はないと私は考えています。

ただし、これはプレイヤーがどのジャンルで音楽を演奏しているかによって重要度が変わってきます。

ケース①:オーケストラ

クラシック音楽をメインに演奏するオーケストラ団体でまずは考えてみましょう。

オーケストラは見た目のパフォーマンスよりも音楽を追求し、深め、演奏することを目的とする団体です。

分かりやすく言えば良い音楽を演奏することが主な目的となっていますので、ベルの高さを揃えることにそれほど大きな意味はなさそうです。

ただしベルアップすることで効果的な演奏をすることが可能になる場面もあると思いますので、要所で使い分けていくのが良いでしょう。

ケース②:吹奏楽

これもケース①のオーケストラと同じく、吹奏楽も基本的には弦楽器が抜けただけで、メインの目的は良い音楽を演奏するためなので、ベルを揃える意味はないでしょう。

吹奏楽部の方は演奏中にパフォーマンスを組み込むこともあると思います。パフォーマンスのためにベルの高さや位置が関わってくるのであれば、多少考えなければなりません。

しかし演奏に支障が出ないレベルのものにできればしたいですね。

ケース③:マーチング、ドリル

ここは今までのオーケストラや吹奏楽とかなり毛色が変わってきます。

マーチングやドリルは見た目重視の演奏の形になります。なのでこれらの演奏においては、ベルの高さはもちろんどの方向へ向けるかなども演目に入ってきます。

実際に見た目の統一美を競う部分もあるのがマーチングやドリルですから、まず間違いなくベルアップや位置を揃えることが必要になってくるでしょう。

ベルアップは演奏に負担をかける?

皆さんは仮に「ベルアップをしなさい」と言われたら、どのように体を動かしますか?

体の構造上、ベルアップに必要となる体の動きは主に以下となります。

ベルアップに必要な体の動き
  1. 腕を持ち上げる
  2. 背筋を伸ばす
  3. 胸をそらす
  4. 首を上げる

1番の「腕を持ち上げる」のは楽器が上に来るのでベルも持ち上がるのは分かりやすいですね。これは程良くであれば問題ありませんが、やり過ぎるとマウスピースと唇の接着面がずれてしまい、演奏に支障が出てしまうかもしれません。

2番の「背筋を伸ばす」ですが、これは背骨の構造に着目してみましょう。

背骨は通常の状態でS字の形になっています。背すじを伸ばそうとすると、S字の形をしている背骨を無理矢理まっすぐな形にしようとすることになります。

ぜひ試してみてほしいのですが、無理に背すじを伸ばそうとすると体の前面、肋骨の辺りが引っ張られるような感覚がありませんか?

この時肋骨周辺の筋肉が引っ張られて緊張してしまうため、本来であれば呼吸によって自然に膨らむはずの動きが阻害されてしまいます。これでは呼吸の妨げになるので、演奏にも当然悪影響です。

3番の「胸をそらす」のも同じで、肋骨周辺からお腹の辺りの筋肉が突っ張るので、呼吸に影響が出ます。

4番の「首を上げる」については、自分が苦しくならない範囲であれば問題ないかもしれませんが、首周辺には「斜角筋」と呼ばれる筋肉があります。

斜角筋は頭を左右に傾ける時に使われる筋肉ですが、同時に呼吸補助筋としても役割も持っています。首を上げ過ぎて斜角筋までにストレッチがかかってしまうと、呼吸にも影響が出ますので、要注意が必要です。

このように、ベルアップに使われる動作に関わる筋肉は呼吸や姿勢に関わるものが多く、無理なベルアップは演奏の妨げとなってしまいます。

なのでベルアップをしなければならない場面が出てきたら、演奏に支障がない程度に留めるか、支障が出ないやり方を探す必要があります。

これは個人の骨格や筋肉の付き方によって大きく変わってきますので、研究してみると良いでしょう。

日本人はベルが下がる?

これは日本人によく見られる歯の生え方を考えると簡単に分かります。

日本人は上側の歯が下側の歯に被さるように生えてくることがほとんどです。

もちろん顎の骨格やどの位置にマウスピースが当たるかによっても変わりますが、大体は直角からやや下向きになります。私もやや下向きがベストポジションです。

逆にベストポジションが上向きになる人もいます、これもその人にとって正解なのです。

骨格というのは千差万別ですから、傾向はあれど100パーセントこれが正しいということにはなりません。

まとめ

今回はベルアップという点について解説をしてきました。

ベルアップそのものを悪だとは私も思ってはいません。ジャンルによっては必要な要素ですし、パフォーマンスの一環として聞いている人を盛り上げるエッセンスにもなります。

そのパフォーマンスを成功させることで、一生の思い出になることもあるでしょう。大事なのは演奏とのバランスを取ること、自分が音楽をやる上で何に重きを置くかだと思います。

今回のまとめ
  1. ベルアップは演奏ジャンルによって重要さが変わる。
  2. 無理なベルアップは呼吸の妨げになり、演奏にも支障が出る。
  3. ベルアップが必要ならば、演奏に支障が出ない程度に留めるか、支障が出ない方法を探す。
  4. そもそも日本人の歯並びや骨格的に、ベルが下がりやすい。

今回はここまで、それではまた!

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