音楽は一生の友、いつまでも音楽と過ごすことを目指す副業トランぺッターのブログ。

【二つのsong】管楽器と歌の結びつきについて、音楽を考える【2/2】

【二つのsong】管楽器と歌の結びつきについて【2/2】

悩んでいる人

音をイメージするってどういうこと?もっと良い音で芸術的な演奏がしたい!

 

こんな方にオススメの記事です。

 

はじめに

 

こんにちは、Hikaruです。

前回の記事で私は歌うことと楽器を演奏することが身体的に密接していることを解説しました。

今回は二つの歌(song)のもう一つの側面について解説していきます。

今回の話は、今すぐ何かに役に立つというものではないかもしれませんが、音楽の本質に関わる話になってくるので、楽器を吹き慣れた方にも今一度立ち返ってもらえる良い機会になればと思います。

歌(song)には二つの意味がある

前回の記事冒頭でもお伝えしたように、歌「song」には二つの意味があると私は考えています。

歌「song」の二つの意味
  1. 自然な呼吸のブラッシュアップ
  2. 頭の中にある歌のブラッシュアップ

今回は2の「頭の中にある歌のブラッシュアップ」について解説していきます。

頭の中にある歌のブラッシュアップ

今回のお話、一言で片づけてしまうと「イメージ」です。

私たちが音楽を演奏する時、そこには何かしらのイメージが存在します。

今回は3つの視点からイメージというものを考えていきましょう。


脳と体の関係から学ぶイメージ

私たちは特に意識することなく物を掴んだり歩いたりすることができます。この理由を皆さんはご存知でしょうか?

例えば皆さんの目の前にコップがあるとしましょう。コップには水が入っていて、今まさに手に取って飲もうとしています。

手でコップを掴む時、脳は手の神経たちに「目の前にあるコップを掴め」という指令を送ります。この神経の伝達スピードは秒速数十メートルという凄まじい速さで伝達されます。

普段何気なく行っている行動も、この脳から出される伝達速度の速さのおかげでほぼノータイムで実践できるのです。

では、生まれてまだ日が浅い赤ちゃんはどうでしょう?まだ物を掴むための筋肉も発達しておらず、当然物を掴むという神経回路も出来上がっていない状態です。

赤ちゃんは生まれて数か月でハイハイや捕まり立ちなどを行うようになりますが、最初は必ず失敗します。

何度も何度も繰り返すうちに、「ハイハイをする」ため、「物を掴む」ため、「立ち上がる」ための神経回路が出来上がっていきます。やがてそれが当たり前の動作になっていくのです。

管楽器奏者にもまったく同じことが言えます。管楽器の演奏は非常に高度なことで、体全体に脳から指令を同時に送る必要があります。当然始めたばかりの人では上手くいくはずがありません。

楽器を始めて演奏した時の私たちは、赤ちゃんとほとんど同じ状態なのです。

私たちは赤ちゃんが時間を掛けて立ち上がるのと同じように、ひたすら練習を繰り返します。

この練習の中に前回の記事で書いた呼吸も当てはまっており、歌うように演奏をするために日夜努力をし、楽器演奏をごく当たり前の状態にする必要があるのです。


『病は気から』言葉から学ぶイメージ

この言葉、日本に住んでいる方なら一度は聞いたことがあるかと思います。

意味については改めて説明するまでもありませんが、病気は気の持ちようによって良くも悪くもなるという意味の言葉です。

実は私自身レッスンをする時に強いイメージが音楽を作り出すことを説明する際に、病は気からという話をします。

このような話を聞いたことがあるでしょうか。

末期まで癌に冒された病人が、奇跡的に回復するという話です。これは患者が癌克服に対して強い意志を持っている時に稀に起きることです。

恐らくそのような人たちは、自分が癌を克服して元気に生活している様子を強くイメージしていたことでしょう。

強いイメージが体に変化を与えるのなら、音楽にも影響があっても不思議ではありません。


アーノルドジェイコブスから学ぶ音楽のイメージ

アーノルド・ジェイコブスという人物を皆さんはご存知でしょうか。

1944年から1988年の引退までシカゴ交響楽団の首席チューバ奏者を務めた人で、金管楽器界を含む管楽器教育に大きな影響を与えた人物です。

アーノルド・ジェイコブス氏が生前遺した言葉にこんなものがあります。

 『声には2種類ある。脳にある声、楽器で出す声である。楽器の声はそれほど重要ではない。演奏も完璧である必要はない。完璧に考えることが重要なのである。脳の中にはっきりしたサウンドがあれば音を外すことはない』

この言葉は奏者が持つイメージ、そして磨かれたソルフェージュが両立することこそが、最も重要であることを示しています。

私たちが練習でするべきことは、頭の中の音と実際に出ている音が一致しているか。そしてその音が素晴らしいものであるかどうかを深く考察することです。

言い換えれば、奏者は常に頭の中に素晴らしい音楽のイメージを強烈に持ち練習に励むべきなのです。

特に私たちが演奏する管楽器というのは、ピアノのように音程が定まった楽器ではないため、奏者である私たちに、音(音程、音色、発音など)の全てがかかっています

楽器から出てくる音の全てを決定するのは私たちです。歌(song)の源泉は脳、つまりイメージにあります。

私たちは素晴らしい歌(song)を頭の中で常にイメージする必要があるのです。

私たちがイメージできないものは存在しないのと同じです。

つまり演奏も、私たちがイメージできるものしか存在しません。

前回の記事で、息をマウスピースに送り込むために必要以上のエネルギーを使ってしまうのは、本末転倒と書きました。

本当にエネルギーを使うべきは、素晴らしい音楽をイメージすることに対してだと私は考えています。


アーノルド・ジェイコブス氏の生前の言葉をまとめた語録があるので、ここで紹介しておきます。

音楽に行き詰った時に手助けとなってくれるエッセンスが詰まった一冊なので、興味がある方は手に取ってみてください。

アーノルドジェイコブスはかく語りき

まとめ

二つの記事で管楽器と2つの歌(song)の結びつきについてお話してきましたが、いかがだったでしょうか?

今回の記事のまとめです。

今回のまとめ
  • イメージの持つ力は強く、体だけでなく音楽にも影響を与える。
  • 自分がイメージできない音楽を演奏することはできない。
  • 常により良い音楽をイメージすることで、より良い呼吸で演奏することにつながる。

今回はここまで、それではまた!

関連記事

まだ前回の記事を読まれていない方、合わせてお読みください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です